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日外会誌. 87(11): 1443-1448, 1986


原著

電解式組織血流計を用いた膵微小循環の測定

大阪市立大学 医学部第1外科

西脇 英樹 , 佐竹 克介 , 康 市塤 , 田中 肇 , 金沢 学秀 , 永井 裕司 , 梅山 馨

(昭和60年12月25日受付)

I.内容要旨
雑種成犬で電解式組織血流計を用いた膵microflowの測定について検討した.
雑種成犬をNembutal麻酔下に開腹し,膵鈎状突起部に電極を刺入し,穿刺同一部位にて2回連続電解を行いその再現性について検討した.また,吸入式水素ガスクリアランス法による膵組織血流量との比較を行つた.
さらに膵血流遮断やKCI投与による心停止などの循環障害時の膵microflowへの影響について検索した.膵microHowおよび膵外分泌反応におよぼすDopamine,Secretin,Prostaglandin E1の影響について検討した.
電解式組織血流計による局所膵microflowは,穿刺同一部位の連続測定では再現性のある値が得られた.電解式組織血流計による局所膵microflowは水素ガス吸入式クリアランス法による膵組織血流量に比べやや高値を示すが両者には有意の相関が認められた.膵血流遮断時およびKC1投与による心停止後でもしばらく局所膵microflowが認められた.
Dopamine 10μg/kg/min,Secrepan 1A I. V. 投与犬では膵外分泌亢進と共に局所膵microfiowの上昇が認められた.
以上より,電解式組織血流計は局所膵microflowの測定に有用であり膵microcirculationの検索にも有用と思われた.

キーワード
膵 microflow, 電解式組織血流計, 膵 microcirculation


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