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日外会誌. 87(7): 797-802, 1986


原著

前胸壁切除術後の胸壁再建法
ー補填材料としてのレジン板と筋肉皮弁との比較ー

大阪府立成人病センター 外科

芝 英一 , 小山 博記 , 野口 眞三郎 , 西沢 征夫 , 児玉 憲 , 寺沢 敏夫

(昭和60年10月14日受付)

I.内容要旨
1)主として乳癌の胸骨,胸骨旁リンパ節再発,局所再発にたいして根治的前胸壁切除を施行した.
2)胸壁欠損の補塡の材料として,1980年から1981年末までの前期症例に対しては人工材料(主としてレジン板),1982年以降より現在までの後期症例に対しては自家材料(主として腹直筋筋肉皮膚弁)を用いた.
3)レジン板と筋肉皮膚弁(myocutaneous fiap)を比較すると,術後短期間では胸壁の支持体としていずれも良好な成績を得ているが,長期間(2年以上)の観察ではレジン板を使用した症例に,局所の疼痛,異和感,局所の感染,皮膚壊死等を認めるものがあつた.しかし筋肉皮膚弁を使用した例ではこれらの障害はまつたく認められず,現在我々は筋肉皮膚弁が胸壁再建に対し最適であると考えている.

キーワード
胸壁再建, Acrylic resin, 筋肉皮膚弁


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