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書誌情報]
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日外会誌. 87(3): 287-296, 1986
原著
担癌マウスにおける領域リンパ節リンパ球および脾細胞の抗腫瘍活性と TCGF 添加培養による in vitro での抗腫瘍活性の増強
-消化管担癌マウスと足蹠担癌マウスの比較検討-
I.内容要旨消化器癌の領域リンパ節リンパ球(RLNL)および脾細胞(SPLC)の抗腫瘍活性を研究する目的で,DSマウスと同系の腫瘍SC 42およびSC 115を用い,盲腸粘膜下に腫瘍細胞を移植して消化管担癌マウス(I群)を作成し,足蹠担癌モデル(F群),単開腹モデル(S群)を対照として検討した.
(1)培養以前のリンパ球の抗腫瘍活性をWinnの腫瘍中和試験でみるとI群ではRLNLである腸間膜リンパ節リンパ球(MLNL)のみが,F群でもRLNLである腋窩リンパ節リンパ球(ALNL)のみが抗腫瘍活性を示した.さらにI群のMLNLの抗腫瘍活性はSC 42とSC 115の間で腫瘍特異性を有していた.
(2)レクチンを除いたT細胞増殖因子(LF-TCGF)を添加して培養した後のこれらのリンパ球の抗 腫瘍活性を
51Cr release testでみると,I群ではMLNL,SPLCともに担癌2週目にSC 42に対する細胞障害活性が強く認められたが,F群では担癌1~2週目にALNLに強く認められるのみであつた.S群ではいずれの活性も弱かつた.
(3)担癌2週目のI群MLNLとSPLCについて,LF-TCGF培養後の細胞障害活性の特異性をSC 42とSC 115の間でみると,MLNLは特異性を有していたが,SPLCには特異性は認められなかつた.
以上の結果は消化器癌における領域リンパ節および脾臓の腫瘍免疫学的な重要性と特殊性を示しているものと考えられた.
キーワード
消化管担癌モデル, 領域リンパ節リンパ球, 癌特異的免疫能, Lymphokine Activated Killer (LAK), T細胞増殖因子 (TCGF)
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