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書誌情報]
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日外会誌. 86(12): 1664-1666, 1985
原著
大動脈腸管瘻の1例
I.内容要旨症例は68歳の女性で,主訴は吐血と下肢の感覚障害であつた.入院時理学的所見では,腹部に手挙大の拍動性腫瘤を触知し,右下肢は蒼白で冷たく,さらに右大腿動脈以下の拍動を触知しなかつた.大動脈腸管瘻及び右腸骨動脈塞栓症の診断で緊急手術を施行した.手術は大動脈瘤を一部切除し,末梢側は腸骨動脈以下の血栓を除去したのち,Y字人工血管にて置換した.また十二指腸の瘻孔部は2層に縫合閉鎖した.術後経過は良好で,感染も認めなかつた.本症は極めてまれな疾患で,かつ救命率も低く,本邦においてはいまだ救命例の報告はない.
キーワード
大動脈腸管瘻, 腹部大動脈瘤
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