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書誌情報]
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日外会誌. 86(10): 1450-1455, 1985
原著
回腸動脈瘤
-症例報告と本邦報告例の集計-
I.内容要旨上腸間膜動脈分枝動脈瘤である回腸動脈瘤症例を経験したので,本邦報告例も集計し報告する.症例は70歳男性,5年前胸部下行大動脈瘤破裂にて人工血管置換術をうけ,経過観察中であつたが,腹部の拍動性腫瘤および血管性雑音にて本症を疑い,確定診断後,外科的に治癒せしめた.瘤の大きさは10×4.5×4cmで組織学的検査では動脈硬化性病変であつた.本邦における上腸間膜動脈瘤の報告は本症例を含め20例で,本幹動脈瘤12例,分枝動脈瘤8例である.本症例は回腸動脈瘤としては4番目の報告例と思われる.本症は比較的稀な疾患であるが,一旦破裂すると手術治療も困難となり,不十分な術式に終らざるをえなくなるため,破裂前に発見し手術することが望ましい.また,血管造影検査が診断および術式を決定する上で重要と考えられる.
キーワード
上腸間膜動脈瘤, 上腸間膜動脈分枝動脈瘤, 回腸動脈瘤
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