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日外会誌. 85(8): 811-819, 1984


原著

多発性内分泌腺腫症1型における膵病変の免疫組織学的検討

1) 金沢大学 第2外科
2) 福井医科大学 第1外科

米村 豊1) , 小西 孝司1) , 宮崎 逸夫1) , 三輪 晃一2)

(昭和58年9月26日受付)

I.内容要旨
MEN 1型の膵病変を免疫組織学的に検討し以下の成織を得た.
膵にはラ島過形成,微小腺腫,腺腫および癌腫が混在しており微小腺腫は肉眼的に鑑別することは不可能であった.過形成ラ島は正常なラ島に比べ構成細胞の配列に異常をみなかったが数が増加し巨大化していた.これら過形成ラ島,微小腺腫,腺腫は漸次移行する組織像を示し,微小腺腫の一部のもので明らかな悪性化像を示すものがあった.各々の腺腫は単ーなホルモン産生を示すものもあるが多くは多種類のホルモン活性を有していた.また膵管に密接したラ島 (tubulo-islet neoformation) がみられた.以上の事実よりMEN 1型では膵内分泌細胞のprimordial cellの異常があり上記病変が形成されるものと推察された.

キーワード
MEN type 1, PAP法, 微小腺腫, ラ島過形成, tubulo-islet neoformation


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