[書誌情報] [全文PDF] (3629KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 85(6): 611-615, 1984


原著

回腸静脈瘤から大量消化管出血を来たした門脈圧亢進症の1例

倉敷中央病院 外科

嶋田 裕 , 片山 哲夫 , 門田 一宣 , 平野 鉄也 , 河野 幸裕 , 小笠原 敬三 , 場田 浩二 , 鈴岡 正博 , 大林 瑞夫 , 高三 秀成 , 藤岡 十郎

(昭和58年8月11日)

I.内容要旨
我々は,門脈圧亢進症によつて小腸静脈瘤破裂を来たした稀有な症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は,49歳の男性.11年前に肝硬変による食道静脈瘤破裂に対し,胃切開による食道静脈瘤結紮術を施行されていた.今回大量下血を来たし緊急手術施行した結果,回腸静脈瘤よりの出血と判明し,回腸部分切除を施行し救命し,切除標本の検索にて回腸静脈瘤破裂を確認した.門脈圧亢進症における消化管出血例に対し稀ではあるが小腸静脈瘤も考慮されるべきと考えた.

キーワード
門脈圧亢進症, 消化管出血, 回腸静脈瘤破裂


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。