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日外会誌. 83(12): 1437-1440, 1982


原著

脾臓破裂で発見された高令者Niemann-Pick病の1例

1) 鳥取大学 医学部第2外科
2) 鳥取大学 検査部

丸山 茂樹1) , 黒田 弘明1) , 提嶋 正1) , 伊藤 勝朗1) , 原 宏1) , 森 透2) , 五明田 斈

(昭和57年6月17日受付)

I.内容要旨
Niemann-Pick病は先天性脂質代謝異常症として小児に多く,成人では稀な疾患である.今回われわれは脾臓破裂のため緊急手術を行い摘脾をした症例を経験した.患者は55歳男性で摘出脾は590gと腫大していた.組織学的にNiemann-Pick細胞が確認された.脂質分析ではsphingomyelineの蓄積を認め,白血球のsphingomyelinase活性も著明に減少していた.また臨床的にも中枢神経症状を欠いており本症例はNiemann-Pick病TypeBに属すると考えられた.

キーワード
先天性脂質代謝異常性, Niemann-Pick病 (Type B), 脾臓破裂


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