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日外会誌. 83(6): 567-571, 1982


原著

門脈代謝系の研究
II)副甲状腺摘出ラットにおけるCa及びMg代謝と門脈下大静脈吻合の役割

1) 東京大学 医科学研究所人工臓器移植外科
2) 東京女子医大 第2病院外科

酒井 昭義1) , 薬師寺 公一2)

(昭和57年2月13日受付)

I.内容要旨
副甲状腺摘出(PTX)ラットは低Ca,低Mg血症を伴うテタニー症状を示す.しかし,これらの動物に門脈下大静脈吻合(PCS)を行うと血清Ca,Mg値は正常に戻り動物は健康になる.又PCSラットにPTXを行うとPTX効果が全くみられない.しかしこの様なPCSの効果はCa-free食餌ラットにはみられない.腸管吸収実験によりPTXは腸管内へのCa,Mg,水分の分泌を高め,PCSは逆にそれら電解質の吸収を促進することが確められた.この現象のメカニズムを考察した.

キーワード
副甲状腺摘出, 門脈下大静脈吻合, 低Ca,Mg血症, 腸管吸収分泌

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