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日外会誌. 83(3): 320-325, 1982


原著

DIC症候群を伴う巨大肝血管腫の1治験例

名古屋大学 医学部第1外科

松田 真佐男 , 二村 雄次 , 中神 一人 , 鈴木 雄彦 , 松本 隆利 , 早川 直和 , 豊田 澄男 , 犬飼 偉経 , 向山 憲男 , 宮田 完志 , 安井 健三 , 弥政 洋太郎

(昭和56年10月6日受付)

I.内容要旨
DIC症候群およびmicroangiopathic hemolytic anemiaを伴う巨大肝血管腫例に対し,ヘパリン療法のもとに拡大肝右葉切除術を施行し良好な結果を得た.同時に,血液凝固障害を伴う肝血管腫の本邦成人例20例を集計し考察を加えた.これらは40代の女性に頻発する傾向を示し,多くの症例で貧血を伴つていた.診断には血管造影が最も有用であり,治療としては,DICのコントロールのもとに切除術を施行するのが最良の方法である.切除不能例には放射線治療が有効と思われる.

キーワード
Kasabach-Merritt症候群, 肝血管腫, DIC症候群, 肝切除術


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