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日外会誌. 83(1): 38-52, 1982


原著

溶連菌製剤OK-432のNatural Killer細胞活性増強作用に関する基礎的研究

自治医科大学 一般外科(指導:森岡恭彦教授)

若杉 尋

(昭和56年9月11日受付)

I.内容要旨
溶連菌製剤OK-432がヒトNK活性に及ぼす影響について検討した.1)健常人リンパ球をOK-432とともに一定条件下で培養すると著明なNK活性の増強がみられた.2)同時に,OK-432によるT細胞の細胞障害活性の増強が示唆された.単球,マクロファージの細胞障害活性は増強されなかつた.3)NK活性増強には単球,マクロファージの関与する可能性は少いと思われた.
OK-432によるNK活性増強機序をさらに検討したころ,1)OK-432で刺激されたリンパ球による直接のNK活性増強作用は認められなかった.2)OK-432とリンパ球を培養して得た培養上清にNK活性増強作用が認められた.3)この培養上清中にはinterferon(IFN)およびinterleukin-2(IL-2)が検出されるので,この両者がNK活性増強に関与すると考えられた.

キーワード
natural killer cells, OK-432, interferon, interleukin-2

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