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日外会誌. 82(6): 681-686, 1981


原著

石灰化ならびに骨化を伴った膵臓癌の1例

防衛医科大学校 第1外科

加辺 純雄 , 門田 俊夫 , 三村 一夫 , 竹村 克二 , 初瀬 一夫 , 黒川 胤臣 , 田巻 国義 , 溝口 修身 , 平出 星夫 , 寺島 肇 , 岩佐 博

(昭和55年12月24日受付)

I.内容要旨
膵癌で石灰化を伴う例は比較的稀であり,中でも骨化を示す例はきわめて稀で,米国とモナコより1例づつの報告がみられるのみで.本邦では著者らの検索した範囲ではみあたらなかった.最近われわれは69歳男子の膵管癌で,石灰化に加え完全な骨形成を伴なった1例を経験した.腫瘍は膵頭部にあり,7×5.5×4cm の結節型で,骨は腫瘍の中心部にあった. 他報告例ではいづれもPleomorphic Carcinomaで 類骨又は未熟な骨がその中にあつたが,本例では成熟した骨や類骨組織の多くは直接膵管癌の癌胞巣に接して存在した.自験例は骨化を示す膵癌としては第3例目であるが,完全に成熟した骨化を示す膵管癌としては欧米を含めても第1例目と思われる.

キーワード
膵臓癌, 石灰化, 骨化


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