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日外会誌. 81(12): 1547-1551, 1980


原著

中国における食道癌の診断と治療について

東京医科歯科大学 医学部第2外科
中国北京医学院第1附属病院 胸部外科

呉 棟

(昭和55年3月18日受付)

I.内容要旨
中国,特に北京と河南省林県地方における食道癌の診断と治療についての現状を紹介した.中国,特に北方地方では食道癌の発生率は非常に高く,林市における発生率は379人/10万人で, 死亡率は100人/10万人で,死亡人口の1/5を占めていた. 食道細胞学的検査によつて早期診断を行ない, その陽性率は食道癌患者の87.8~94.2%にも逹した. 手術々式は左側開胸, 食道癌切除,胸腔内後縦隔で食道・胃吻合を行う.切除率75~85%,手術死亡率5%以下,五年生存率は30~40%であつた.林県における早期癌症例では切除率100%,五年生存率90.3%であった. この手術々式は術後合併症が少なく, 縫合不全発生頻度は3.3~6.1%で,肺合併症は10%前後であつた.結腸食道吻合を行う頚部吻合では,縫合不全の発生頻度は24.9%と高率であつた.

キーワード
中国食道癌疫学, 食道癌根治手術, 食道癌早期診断

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