日外会誌. 40(8): 1557-1574, 1939
その他
「レントゲン」活動寫眞撮影法ニ依ル胃竝ニ十二指腸運動ノ研究
第一編「レントゲン」活動寫眞撮影法ニ依ル胃ノ生理的運動ノ研究
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名古屋醫科大學 齋藤外科敎室 醫學士（主任 齋藤眞博士） 須崎 勝 |
胃ノ蠕動運動ニ關スル研究ハ「レ」線發見以來透視法 Serienaufnahme (Rosenthal 1909) Polygraphie (Levy-Dorn 1912) Kymographie (Stumpf 1931) 等種々ナル研究方法ノ出現ヲ見タルモ，是等ノ方法ハ細部ノ變化ヲ同時ニ觀察シ得ザル等不備ナル點多ク，從ツテ各學者ニ依リ區々ナル意見ノ發表ヲ見タリ．
然ルニ本邦ニ於テ河石氏ハ「レ」線活動寫眞撮影法ヲ完成シ余ハ之ヲ應用シテ，胃ノ蠕動運動ヲ撮影研究セリ．
消化時ニ於ケル正常胃ノ蠕動運動ハ規則正シキ周期（16乃至22秒）ヲ以テ繰返サルル波動運動ナリ．年齢，酸度等ノ異ル個人ノ間ニ差ハアレド，同一人ニ於テハ規則正シキ時間的間隔ヲ以テ反復サルルモノナリ．蠕動起始部ニ關シテハ胃體上部ニ起ルト云フ漠然タル記載アルノミナリ．立位ニ於ケル余ノ觀察ニ於テハ何レモ噴門載痕ノ直下部ヨリ發生セリ．發生シテヨリ幽門ニ至リテ消失スルニ要スル時間ハ38乃至62秒ニシテ先人諸家ノ記載ヨリ長シ．一般ニ胃體ニ於ケル蠕動波ハ殘リ弱ク幽門竇ニ至レバ極メテ活潑ナル收縮ヲ營ムモノナリ．
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