日外会誌. 40(8): 1575-1584, 1939

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その他

第二篇「レントゲン」活動寫眞撮影法ニ依ル十二指腸運動
特ニ球部竝ニ十二指腸内容逆流運動ノ研究

I．内容要旨
十二指腸ノ運動ハ甚ダ複雑ニシテ，「レ」線學的ニ種々論議サルル所ナリ．「レ」線活動寫眞撮影法ニ依ル研究ニ依レバ，十二指腸球部ノ運動ヲ大別シテ球部體ニ發生スル環狀收縮，球部全壁ニ起ル圍繞性收縮竝ニ基底部收縮ノ3運動型トナスヲ得ベシ．コノ3運動型ハ規則正シク交互ニ繰返サルルモノニ非ズ，又夫レ等運動ノ大小强弱ニ種々ノ程度ノ差アリ．球部ハ收縮時ト雖モソノ内容全ク空虚トナルコトナク，又球部ハ刻々ニ形ヲ變化スルモノナレバ，或ル瞬間撮影時ニ於ケル靜的ナ形ノ變化ノミヲ以テ球部疾患ノ診斷ニ應用セントスルハ早計卜言フベシ．
更ニ十二指腸下部ニ至レバ，特有ナル内容逆流ノ運動アリ．卽チ十二指腸下彎曲部ハ竇樣ニ擴大シ，コノ部ニ來レル内容ハ一時停留シ，次デ起ル收縮ニ依リ大部分ハ廻腸ニ輸送サルルモ一部ハ逆ニ下行部ヲ經テ球部ニマデ逆流サル．之ハ多クハ「レ」線學者ニ依リ逆蠕動ニ因ルモノトサレタルモ，余ノ研究ニ於テハ非傳播性ノ輪狀收縮ニ因ツテ惹起サルルモノナルコトヲ確メタリ．

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