日外会誌. 124(6): 460, 2023
会員へのメッセージ
学術委員会について
日本外科学会学術委員長,九州大学病院長/九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科 中村 雅史 |
日本外科学会学術委員会は,本学会が2008年から理事長制に移行したことに伴い設置されました.それまでは会長が一括管理していた学会の事務業務と学術集会業務を理事長と会頭に分割することに伴い,両業務の連携を図るために設置されました.本委員会では,各年度の会頭とともに基盤学会としての日本外科学会にふさわしく,会員にとって参加する意義と魅力のある学術集会を目指してプログラムの作成を行っています.他学会とのテーマ重複の解消や,偏りがないプログラム構成のために,各サブスペシャルティ学会との調整も行っています.プログラム委員会構成の段階で各サブスペシャルティ学会に委員の確認や追加委員の推薦を依頼し,連携しながらプログラムを構築しています.さらにプログラムの決定後は,各サブスペシャルティ学会へテーマを共有しています.そうした工夫によって,より偏りが小さく,他の学術集会との重複が少ない学術集会となることを目指しています.
医師の働き方改革が臨床分野において大きな課題となっていることに対応して,学術集会が会員の物理的・精神的負担にならないような仕組み作りにも継続的に取り組んでいます.元々は将来計画委員会内の学術集会の在り方ワーキンググループが検討していた内容でしたが,池田理事長の指示により学術委員会に移管することとなりました.同ワーキンググループでは,会員を対象に,コロナ前後に数回の学術集会に関するアンケート調査を行いましたが,結果として,コロナ前後で学術集会に対する会員の認識が大きく変化したことを読み取ることができました.コロナ以前の回答では各サブスペシャルティ学会も含めた学術集会の回数が多く,これらに参加することが負担であるという意見が過半数を占めていました.しかしながら,コロナパンデミック後はオンラインで参加可能となったことが影響して,学術集会への参加自体が負担であるとする回答は減少しました.一方で,関連する各学会の学術集会の内容が似通っているという意見は依然として多数を占めていました.現在,各サブスペシャルティ学会と学術集会の内容がさらに重複しないような仕組みを目指して取り組んでいます.
この他,学術委員会では,本学会外からの依頼が届く各種の賞(医師会医学賞,文部科学大臣表彰受賞,上原賞,医科機器史研究賞,青木賞など)の公募周知や,業績を評価して推薦することも行っています.
学術集会は日本外科学会の最も重要な活動の一つであり,今後もより良い仕組みを構築することに精進して参りたいと思います.会員の皆様のご協力をお願い申し上げます.
利益相反:なし
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