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日外会誌. 124(1): 67, 2023

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手術のtips and pitfalls

「胃外科に必要な進行胃癌に対する拡大手術手技」によせて

市立ひらかた病院 消化器外科

河合 英



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胃癌に対する外科手術は,1950年代ころから本邦の胃外科医が「根治性を目指した画一的な拡大手術」を標準化し伝承されてきました.当時は癌に対する国民の認識や診断技術が現在とは異なっており進行胃癌で発見される症例がほとんどでした.しかし近年では検診が普及し診断技術の向上による早期胃癌での発見率増加に伴い,胃外科手術は低侵襲性手術・縮小手術による安全で過不足のない手術が主流となっています.進行癌に対してもガイドラインを踏襲したevidenceに基づく治療が推奨されているのに加え,抗がん剤の進歩により集学的治療が行われるようになったことで根治的拡大手術は少なくなってきています.
昨今の臨床試験において網嚢切除や脾摘さらに予防的大動脈周囲リンパ節郭清は短期成績・長期成績において否定されましたが,これらの臨床試験において適応除外された4型胃癌を含めた症例の中には拡大手術を行うことにより根治可能な高度進行胃癌患者は少なからず存在します.
そこで今回のtips and pitfallsでは先達が技術継承してきたにもかかわらず今後の手術書から省かれるかもしれない拡大手術手技についてエキスパートの先生に紹介いただきました.網嚢切除については東海大学八王子病院の野村栄治先生・大阪医科薬科大学名誉教授の岡島邦雄先生に,大動脈周囲リンパ節郭清については帝京大学の深川剛生先生に解説をお願いいたしました.
今回の企画が会員皆様の胃癌外科治療の一助になれば幸いです.

 
利益相反:なし

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