[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (499KB) [全文PDFのみ会員限定]

日外会誌. 123(1): 61, 2022

項目選択

会員のための企画

「術後せん妄―正しい診断と治療のために知っておきたいこと―」によせて

杏林大学 医学部乳腺外科

麻賀 創太



<< 前の論文へ次の論文へ >>

 
外科手術手技の進歩や術後管理の高度化によって,超高齢者に対する手術,あるいは従来であれば手術不能とされた進行悪性腫瘍に対する拡大手術などが行われるようになり,外科医が術後せん妄に遭遇する機会は増加しています.
手術後の患者がせん妄状態となったとき,予想のつかない危険行動を起こせば転倒・転落などのアクシデントにつながること,また,せん妄状態における暴力行為は,最も患者に近い位置にいる看護師に向けられる場合が多いことから,周術期看護において,術後せん妄のアセスメントや管理は重要な課題となっていますが,一方で外科医がせん妄に対してきちんと学ぶ機会は少ないように思われます.
しかし,外科医は周術期管理を含めたチームの主導者としての立場を求められますので,せん妄状態となった患者に対しても適切なアセスメントを行った上,適切な対処ができるよう,普段からせん妄に関する基礎知識を身につけておく必要があるといえます.
最近の研究では,術後せん妄は高齢者に限らず,若年者や小児にも発生しうることや,せん妄によって生じる症状も患者ごとに様々であることが報告されており,状況に応じた適切な対処法も異なります.このことを知らずに漫然と対応した場合,より事態を悪化させる懸念や思わぬトラブルに巻き込まれる危険があります.
本企画の執筆をお願いした埼玉医科大学国際医療センターの大西秀樹教授は,精神腫瘍学がご専門で,術後せん妄はもとより,がん患者に生じるあらゆるせん妄に関して精通しておられ,日本サイコオンコロジー学会の監事もお務めでいらっしゃいます.今回は大西教授に「術後せん妄―正しい診断と治療のために知っておきたいこと―」と題して,せん妄の定義からリスク因子,臨床症状による分類,診断・治療に至るまでご解説いただきました.外科医ならば誰でも遭遇しうる術後せん妄に関して,本稿が理解の一助になれば幸いに存じます.

 
利益相反:なし

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。