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日外会誌. 121(5): 550, 2020

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臨床研究セミナー記録

日本外科学会・日本臨床外科学会共催(第81回日本臨床外科学会総会開催時)
第23回臨床研究セミナー

「臨床研究の基礎と実践」によせて

日本外科学会臨床研究推進委員長,岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学 

藤原 俊義

(2019年11月16日受付)



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医療安全の観点から,外科医を取り巻く社会情勢が大きく変容する中,患者に安全で有効な最善の外科医療を提供するためには,科学的かつ倫理的な臨床研究によって示されるエビデンスを確立することが最も重要である.良質なエビデンスを集約した診療ガイドラインなどによって,さらに安全な日々の外科医療は支えられており,臨床研究を適正に計画・実施・評価することが強く求められてきている.本セミナーは,臨床研究に関する基礎的な知識から実践的な応用例まで,幅広いトピックスをタイムリーに組み込み,日本外科学会会員の先生方に臨床研究を確実に推進いただけるよう企画されている.
第23回臨床研究セミナーは,第81回日本臨床外科学会総会(花﨑和弘会長,高知大学外科学講座外科1 教授)の最終日午後に開催された.「臨床研究の基礎講座」では,臨床研究の多変量回帰分析において,適切な変数選択が必要であることを解説いただいた.また,高知大学医学部附属病院の次世代医療創造センターからは,Academic Research Organization(ARO)として医師主導治験を支援されている実態を紹介いただいた.「外科臨床研究の実践」では,昨年1月に米国臨床腫瘍学会(ASCO-GI)にて報告され注目を集めた,切除可能膵癌に対する術前化学療法の臨床研究の結果を紹介いただき,また保険適用によって一層の広がりを見せているロボット支援手術の臨床研究論文をオーバービューいただいた.
ご講演賜った講師の先生方,また司会の労をお取りいただいた臨床研究推進委員会委員の先生方に深謝するとともに,さらなるご協力をお願いしたい.

 
利益相反:なし

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