日外会誌. 121(4): 469, 2020
卒後教育セミナー記録
日本外科学会第96回卒後教育セミナー（令和元年度秋季）（第81回日本臨床外科学会総会開催時）
「知っておくべきサブスペシャルティ領域別トレーニングプログラム」によせて
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日本外科学会教育委員，長崎大学大学院移植・消化器外科学 江口 晋 （2019年11月16日受付） |
2019年11月の高知市での第81回日本臨床外科学会総会の最終日の午前中，日本外科学会の第96回卒後教育セミナーを開催した．今回のテーマは「知っておくべきサブスペシャルティ領域別トレーニングプログラム」である．
今回からの変更点は二つ．本セミナーは，日本専門医機構の専門医制度における外科領域講習の単位としても加算できるため，日本専門医機構の指導により，入退室管理が厳格となったこと．そのため，時間に対する単位の管理も1時間に1単位となり，3時間のセミナーで3部制，つまり1部につき1単位の取得が可能である．今までのようにまとめて1回という事ではない．
また今回は高知市での開催のため，通常の学会3日目PMではなくAMとさせて頂いた．これは多数の受講者が帰路に着く時間が重なると混乱が生じ，また復路便の確保が困難であるのではないかとの花﨑和弘会長の御配慮である．まさに花﨑会長のお人柄を再認識させられた．
テーマ決めの段階より，大木教育委員長に企画の具体化を任命され，各2階領域学会の教育委員長に連絡を取り，サブスペシャルティ領域別トレーニングプログラムを担当されている先生を紹介して頂いた．最近ではon the job training（OJT）が以前の様にはいかないことも多いため，まずはシミュレーター等によるoff-the-job trainingを施行してから患者治療になることが多くなっている．他領域でのoff-the-job trainingの現況を知ることにより，個々の自分の領域の現況を理解することができる．また，外科医教育の立場にある先生方には各自領域の改善，発展につなげることが可能と考えられ，有用である．
内容は各講師の先生方さすがに素晴らしく，各領域別でのoff the job training （dry, wet）, simulator，また資格制度などを微に入り細を穿つご講演頂いた．動画の使用も多く，聴講者にとっては非常に解りやすかったのではないかと推測された．
書籍では学ぶことのできない内容を，テンポの良い調子で動画も多く用いてご講演頂き，6名の講師の先生方，司会の先生方には心より御礼申し上げたい．遠方にも関わらず，セミナー運営に駆けつけて頂いた日本外科学会事務局各位には厚く御礼申し上げる．
利益相反：なし
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