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日外会誌. 121(2): 241, 2020

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生涯教育セミナー記録

2019年度 第27回日本外科学会生涯教育セミナー(九州地区)

「各分野のガイドラインを紐解く」によせて

日本外科学会教育委員会九州地区委員長,長崎大学大学院移植・消化器外科学 

江口 晋

(2019年5月18日受付)



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雨空の5月土曜の午後,第56回九州外科学会の最終日,第27回日本外科学会生涯教育セミナー(九州地区)を開催した.開催については当番会長の鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学 夏越 祥次教授,中条 哲浩講師,鹿児島大学大学院小児外科学 家入 里志教授に多大なご高配を頂いた.ここに厚く御礼申し上げる次第である.
今回のセミナーの共通テーマは「各分野のガイドラインを紐解く」である.生涯教育セミナーを受講する先生方に,特に定期学術集会でのセミナーを聞き逃した先生方に,通常の診療では十分に勉強し難いテーマについて,厳選された各講師の先生方に分かりやすいご講演を賜った.
まずは,「食道癌診療ガイドライン」について,国立病院機構九州がんセンター 藤 也寸志先生に考え方と今後の方向性について分かりやすく,解説して頂いた.特に第4版(2017年版)で初めて作成されたステージ別のアルゴリズムに沿って食道癌治療の特徴や内容についてのご講演であった.次に「胃癌ガイドライン」について,熊本大学大学院消化器外科学 馬場 秀夫教授に第5版ガイドラインで変更になった点や最新のトピックスを中心にご講演頂いた.「大腸癌ガイドライン」については,本邦における直腸癌と肛門管癌のStagingと治療ガイドラインについて,大腸肛門病センター高野病院外科 山田 一隆先生にご講演頂いた.特に本邦と欧米の直腸癌治療ガイドラインの相違,肛門管癌症例の特徴を勉強することができた.3講演とも非常にわかりやすく,実例を挙げての説明で,外科医として開業の先生から現場の手術医まで幅広く役に立つご講演であった.
書籍では学ぶことのできない内容を,テンポの良い調子でご講演頂き,3名の講師の先生方には心より御礼申し上げたい.遠方にも関わらず,セミナー運営に駆けつけて頂いた日本外科学会事務局各位には厚く御礼申し上げる.

 
利益相反:なし

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