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日外会誌. 127(5): 524-529, 2026


会員のための企画

認知症をもつがん患者に対する意思決定支援

国立がん研究センター東病院精神腫瘍科,国立がん研究センター先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野 

小川 朝生

内容要旨
高齢者のがん治療において,認知症の影響により,意思決定が困難となる場面が増えている.手術やがん薬物療法など侵襲的治療を提案する場面では,本人の自己決定権の尊重のみならず,適切な治療・ケアを提供するうえでも意思決定が重要である.しかし,臨床では「認知症=意思決定不能」という誤解がしばしば散見される.認知症の診断と意思決定できるかどうかは別であり,認知症であっても可能な限り本人が自ら意思決定できるよう支援することが求められる.意思決定支援は,本人の残存する認知機能を活かして,情報の理解・比較・表明を促し,意思を実現する支援である.認知機能に応じた支援を行い,意思が確認できない場合でも,本人の生活歴や行動から,根拠を明示して意思を推定する姿勢が求められている.

キーワード
意思決定支援, 意思決定能力, 共有意思決定, 認知症, ノーマライゼーション


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