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日外会誌. 127(3): 274-280, 2026


特集

遺伝子診断が変える乳腺外科診療

3.臨床遺伝学・カウンセリング

1) 九州大学病院 乳腺外科
2) 九州大学病院 臨床遺伝医療部
3) 九州大学大学院 臨床・腫瘍外科

落合 百合菜1)3) , 松﨑 佐和子2) , 林 早織1)2) , 大坪 慶志輝1) , 森崎 隆史1) , 佐藤 瑶3) , 溝口 公久3) , 石川 亜希子2) , 久松 雄一1) , 久保 真1)2)3)

内容要旨
がんゲノム医療の進展により,乳腺外科診療において遺伝学的情報の重要性が高まっている.とくにBRCA1/2病的バリアントは,乳癌・卵巣癌の発症リスク評価のみならず,治療選択,発症前サーベイランス,予防切除,家族へのカスケード検査にまで影響を及ぼす.
本稿では,BRCA病的バリアントの臨床的意義を概説するとともに,当院における未発症保持者を含む包括的なサーベイランスおよび遺伝カウンセリング体制について報告した.
当院の病的バリアント保持者36例のうち,リスク低減乳房切除術(RRM)に至った症例は13例であり,いずれも乳癌の既往または発症を契機として実施されていた.一方,乳癌未発症の段階でRRMを選択した症例は認められなかった.また,リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)は3例に施行されており,多くの症例ではサーベイランスを継続しながら予防的介入の時期が検討されていた.
遺伝医療チームは,医学的情報提供に加え,患者の価値観や生活背景を踏まえた継続的な意思決定支援を担っており,乳腺外科チームは多職種連携の窓口かつ中心として,治療・予防・長期支援を統合した診療を実践していく立場にある.

キーワード
BRCA1/2 , Genetic counseling, Breast cancer surveillance, Risk-reducing mastectomy, Personalized medicine


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