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日外会誌. 125(2): 146-153, 2024
特集
外科におけるRCT―top journalへの道―
8.小児外科におけるRCT―top journalへの道―
内容要旨
ランダム化試験(RCT)は,様々な臨床の診断や治療法の有用性を示すためのゴールドスタンダードであるが,小児外科領域での RCT の報告は数えるほどしかない.RCT を困難にしていることは,多くの人材と労力が必要なこと,疾患自体の発症数が限られることと,標準治療自体が確立していない場合が多いこと,標準治療があっても治療成績が明らかな標準治療を対象として比較を行うため新規治療に過度の期待をすることで振り分けに同意しないことなどがあげられる.特に小児であることから,新規治療の効果を期待した単群での検討を選択することが多いこと自体がtop journalへの道を閉ざしている.小児領域では,悪性腫瘍に関しては RCT が早くから受け入れられ,希少疾患でもあることから国際共同試験の形で,RCT に取り組んだ経緯を本稿で示した.確実なエビデンスを得るためにはRCT が必要であることを理解をすると共に,十分な準備の下で適切なデザインで RCT を行うこと,特に症例数が少ない疾患では,日本全国のみならず,国際共同試験を選択することがtop journalへの近道であることに違いはない.
しかし,明らかにしたい Clinical Question に対して正しいアプローチを行うことも重要である.
キーワード
小児疾患, 臨床研究, 希少性, 国際共同研究, 悪性腫瘍
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