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日外会誌. 123(5): 397-402, 2022


特集

低侵襲膵切除術の進歩

4.ロボット支援下膵切除術の導入

鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科

蔵原 弘 , 大塚 隆生

内容要旨
本邦において2020年にロボット支援下の膵頭十二指腸切除術(robot-assisted pancreaticoduodenectomy:RPD)と尾側膵切除術(robot-assisted distal pancreatectomy:RDP)が保険適用となり,今後導入する施設が増加することが予想される.RPDおよびRDPの導入にあたっては,厳しい施設基準と術者条件に加えて,専門医による現地指導(プロクター制度)も設定されている.当科では2021年に導入し,これまで13例のRPDを施行した.手術時間の延長回避と切除時の出血への安全な対応のために切除を腹腔鏡下に行い,再建をロボット支援下に行うハイブリッド手術を採用している.手術時間と出血量の中央値はそれぞれ511分と260mLであり,grade Bの膵液瘻を2例,肺血栓塞栓症を1例に認めた.ロボット支援下膵切除術が広く普及するためには,効果的な教育システムの構築に加えて,慎重な患者選択と安全で確実な手技を心がけることが重要である.

キーワード
膵頭十二指腸切除術, 膵体尾部切除術, 腹腔鏡下手術, 低侵襲手術, ハイブリッド手術


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