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日外会誌. 120(5): 526-533, 2019


特集

外科医育成のためのOff-the-job training (Off-JT)の現状と将来

7.Extended reality(仮想現実VR・拡張現実AR・複合現実MR)と
臓器立体モデルによるSurgical Off-the-job training(Off-JT)

帝京大学冲永総合研究所,同 医学部外科学講座 

杉本 真樹

内容要旨
外科医育成の現場でOn-the-job training(On-JT)は臨床業務が優先され,その効果には限界があり,Off-the-job training(Off-JT)に期待が高まっており,患者個別データを利用したケーススタディやシミュレータ,3Dデジタルデータや3D臓器モデル,外科医のモーションキャプチャデータなどが利用されている.また患者個別の臓器モデルによる仮想現実(Virtual reality:VR),拡張現実(Augmented reality:AR),複合現実(Mixed reality:MR)なども利用され,Extended reality(XR)といわれる.遠隔地間でのVR空間を共有したOff-JTは,臨場感と存在感があり,効果的である.今後は機器やソフトウェア,webアプリやクラウドの高機能化,通信速度の高速化,低価格化が進み,人工知能による手技の形式知化も進み,これからの世代の外科医には,従来までのアナログ的思考を尊重しつつ,置き換え可能なデジタル技術を客観的かつ公正な評価の後に積極的に取り入れ,外科手技の効率化を図っていくべきである.

キーワード
On-the-job training(On-JT), Off-the-job training(Off-JT), Extended reality(XR), ホログラフィー, 遠隔医療

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