[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (1724KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 120(5): 507-510, 2019


特集

外科医育成のためのOff-the-job training (Off-JT)の現状と将来

3.呼吸器外科領域のOff-JTの現状

東京大学大学院 医学系研究科呼吸器外科学

中島 淳

内容要旨
呼吸器外科領域において,より高度な技術を要求される胸腔鏡手術の比率が高くなった現状では,呼吸器外科専門医を目指す若手医師の教育にはOff-the-job training (Off-JT)としての器具を用いたドライラボ,動物の心肺ブロックを用いたティッシュラボや動物生体を用いたアニマルラボを通した手術技術トレーニングの必要度が増している.呼吸器外科専門医制度では専門医取得のための条件の一つとして日本呼吸器外科学会が年4回主催している手術技術習得のための実習を行う胸腔鏡教育セミナーへの参加を義務付けている.さらに多くの呼吸器外科専門医研修期間施設では独自のOff-JTプログラムを持つところが多く,修練医がアニマルラボなどを通して定期的な実習指導が受けられるようにしている.呼吸器外科領域のOff-JTでは開胸・閉胸や胸腔鏡操作の基本手技,開胸,胸腔鏡および肺葉切除などの標準的手術手技の実習が主に行われる.さらに肺動脈損傷による出血への対処などトラブルシューティングを行うのに最適な機会を提供することができる.生体肺移植などの高度な技術を要する手術を行う前に,手術手技や治療手順を外科医師だけでなく医療スタッフ間でシミュレーションするためにもOff-JTは重要である.

キーワード
呼吸器外科, 呼吸器外科専門医制度, 胸腔鏡教育セミナー, トラブルシューティング, 模擬手術

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。