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日外会誌. 120(4): 443-447, 2019


会員のための企画

がんゲノム医療

岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科呼吸器・乳腺内分泌外科学

豊岡 伸一

内容要旨
近年,次世代シークエンサーなどのゲノム解析における技術革新,解析されたゲノムの知見の蓄積,知見を応用した研究が進んでいる.それに伴いゲノム研究の成果を,医療に還元する局面を迎えている.ゲノム医療とは個人のゲノム情報をもとにした,個人の体質や病状に適した医療とされている.なかでも対象疾患としてがんが注目されており,第3期がん対策推進基本計画においては,がんゲノム医療が充実すべきがん医療の一つとして記載された.このように,がんゲノム医療が注目される中,国は,がんゲノム医療中核拠点病院を中心としたがんゲノム医療を展開する体制の整備に着手している.この体制は,同時に患者のゲノム・臨床情報を収集することも目的としており,いわばゲノム医療の実装のみならず今後のがん研究の開発プラットフォームを構築する取り組みともいえる.一方,このような,がんゲノム医療を推進していくにあたりいくつかの課題も浮き彫りになっている.

キーワード
ゲノム医療, がん, 次世代シークエンサー, がんゲノム医療中核拠点病院


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