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日外会誌. 120(2): 189-195, 2019


特集

血管浸潤を伴う肝胆道癌の外科治療の現況

7.胆嚢癌における肝門部血管浸潤例に対する外科治療

東京女子医科大学 消化器外科

樋口 亮太 , 山本 雅一

内容要旨
胆道癌に対しては外科的手術が唯一の根治的治療であるが,肝門部血管浸潤を認める場合の血管切除に関しては,ガイドラインにおいても“門脈合併切除は有用である可能性があるが,肝動脈合併切除の臨床的意義は現段階では不明確である”とされる.そこで今回,胆嚢癌の肝門部血管浸潤に対する血管合併切除についてレビューを行った.Pubmedにて“gallbladder”,“cancer” or “carcinoma” and “vascular” or “portal vein” or “hepatic artery”の検索語について“title/abstract”で検索し検討した.
10編が選択され,血管切除例では,術前の黄疸(90~100%)や肝十二指腸間膜浸潤が多かった.門脈切除例の合併症発生率は69~78%,在院死亡率は0~60%であった.肝動脈切除例に限った手術成績の報告は少なく,合併症発生率は1編で60%,在院死亡率は2編で0%と報告されていたが,少数例の報告であった.胆嚢癌に対する門脈切除例の5年生存率は0~33%,生存期間中央値は18カ月,5年生存者6例で,肝動脈切除例の5年生存率0%,生存期間中央値が1編で13.9カ月と報告されていた.
胆嚢癌の肝門部血管浸潤に対する血管切除の論文は少なく,高い在院死亡率と低い生存率が報告されていた.しかし,専門施設での安全性と根治性に配慮した症例の選択と化学療法をうまく組み合わせることによって,治療成績の向上が期待された.

キーワード
胆嚢癌, 胆道癌, 血管切除, 死亡率, 生存率

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