[
書誌情報]
[
全文HTML]
[
全文PDF] (869KB)
[会員限定][
検索結果へ戻る]
日外会誌. 120(1): 44-50, 2019
特集
大腸手術における周術期感染対策―EBMに基づいたbest practice―
7.術後感染を防ぐ手術手技と管理の工夫―炎症性腸疾患手術―
内容要旨潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis;UC),クローン病(Crohn’s Disease;CD)に代表される炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease;IBD)は低栄養,貧血,免疫抑制,感染合併状態で手術となることが多く,手術部位感染(Surgical site infection:SSI)発症が高いと考えられる傾向にある.しかし実際には待機手術では大腸癌と遜色ないSSI発症率である.ただし緊急手術,汚染手術ではSSIの頻度が増加するため周術期管理が困難となる場合もある.SSIリスクには高麻酔リスク,汚染手術,重症手術,ステロイド使用が挙げられるが,生物学的製剤(anti-tumor necrosis factor alpha agents:抗TNF-
α抗体製剤),免疫調節剤はcontroversialではあるもののSSIへの影響はないとする報告が優位である.しかし,各SSIリスクは術前短期間での改善は困難であるため,早期に手術の適応を判断する,吻合を避ける,あるいは手術侵襲を低減するために分割手術を行う工夫が必要である.
キーワード
炎症性腸疾患, 潰瘍性大腸炎, クローン病, 手術部位感染
このページのトップへ戻る
PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。