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日外会誌. 119(6): 658-664, 2018


特集

小児短腸症候群・小腸機能不全の最前線

8.小児小腸移植の現況

東北大学大学院 医学系研究科発生・発達医学講座小児外科学分野

和田 基

内容要旨
小腸移植は不可逆的重症腸管不全に対する根本的治療として行われている.
小児腸管不全は静脈栄養への依存度が高く,腸管不全関連肝障害(IFALD, intestinal failure associated liver disease)などの合併症発症リスクの高い重症例が多い.腸管運動機能障害も合併症発症と生活の質(QOL,Quality of Life)低下のリスクが高く,小児期に小腸移植の適応となる重症例も多いと考えられる.
腸管リハビリテーションは残存腸管機能を有効に利用することにより静脈栄養への依存度を低減し,合併症を予防する.腸管リハビリテーションの進歩により小児小腸移植実施症例数は減少傾向にあるが,生命に危機及ぶ最重症例や著しいQOL低下例に対しては適切な時期に小腸移植の適応を検討すべきである.
進行したIFALD症例には肝臓-小腸移植あるいは多臓器移植が必要である.国内では小児脳死ドナーからの臓器提供は未だ少なく,特に乳幼児例に対する多臓器移植は実施困難な状況にある.
小腸移植の長期成績は未だ満足すべき状況にないが,免疫抑制療法や移植後の管理の進歩により,特に小児の長期成績は改善傾向にある.
腸管不全治療の進歩に加え小腸移植の長期予後向上により重症腸管不全の治療成績とQOLが向上することを期待したい.

キーワード
腸管不全, 短腸症候群, 小腸移植, 腸管リハビリテーション, 腸管不全関連肝障害

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