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日外会誌. 119(5): 470-474, 2018


特集

Marginally resectable 局所進行大腸癌への治療戦略

2.十二指腸へ浸潤する上行結腸癌

防衛医科大学校 外科学講座

神藤 英二 , 梶原 由規 , 青笹 季文 , 長谷 和生 , 山本 順司 , 上野 秀樹

内容要旨
上行結腸および横行結腸は解剖学的に十二指腸下行脚や水平脚に近接しており,進行した右側結腸癌では十二指腸が原発巣やリンパ節転移巣に巻き込まれることがある.術式選択に際しては,根治性確保の観点から膵頭部切除や十二指腸周囲リンパ節郭清の必要性を評価し,膵頭十二指腸切除の適応について慎重に判断する.膵頭十二指腸切除を回避し得た場合には十二指腸部分切除を選択することになるが,十二指腸における縫合不全は重篤な病態を引き起こす可能性があり,切除した十二指腸壁の範囲から胆汁および膵液の一時的外瘻化手技を伴ったdouble tract型再建の必要性を判断する.抗癌剤による術前治療は,その効果により根治性の向上や拡大手術の回避が期待でき,有望な選択肢の一つと考えられている.十二指腸浸潤右側結腸癌にみられる十二指腸瘻孔は便性嘔吐や下痢などの原因となる一方,局所進行大腸癌は完全切除により良好な予後が期待できる.QOL(quality of life)向上および予後改善の両面から外科治療により完全切除を目指す意義は大きく,十二指腸浸潤を伴う右側結腸癌では特に適切な治療方針の選択が必要である.

キーワード
上行結腸癌, 横行結腸癌, 十二指腸浸潤, 十二指腸部分切除, 膵頭十二指腸切除

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