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日外会誌. 119(4): 401-407, 2018


特集

3次元臓器構築と外科領域への応用

7.腸オルガノイドを用いる再生医療の可能性

東京医科歯科大学 消化管先端治療学

中村 哲也

内容要旨
正常な腸上皮細胞を含む3次元構造体(オルガノイド)を体外培養する技術が大きく進歩した.この技術により腸上皮幹細胞の増幅も可能であることが明らかになり,オルガノイド培養で得られる細胞を用いた再生医療技術開発に期待が寄せられている.本稿では腸オルガノイド培養技術に解説を加え,動物モデルでオルガノイド移植を試みた基礎研究の現況を概説したい.本分野におけるさらなる研究の発展は,腸上皮粘膜障害や腸管不全を呈するさまざまなヒト腸疾患に対して,上皮修復および上皮機能回復を図る新しい再生医療技術の基礎となるものと期待される.

キーワード
腸オルガノイド, 腸幹細胞, 再生医療

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