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日外会誌. 118(3): 325-331, 2017


特別寄稿

高齢者の消化器癌手術における術前リスク評価と治療方針選択の実態:京大外科関連施設癌研究会アンケート調査から

1) 京都市立病院 外科
2) 京都大学 消化管外科
3) 大津市民病院 外科
4) 天理よろづ相談所病院 腹部一般外科
5) 京都桂病院 外科

小濱 和貴1)2) , 松尾 宏一1) , 岡部 寛3) , 吉村 玄浩4) , 間中 大5)

内容要旨
【目的】京大外科関連施設癌研究会では,高齢者消化器癌外科治療における問題点を明らかにするために,関連病院にアンケートを行った.【方法】高齢消化器癌患者のリスク評価や治療方針決定の現状に関するアンケートを作成,関連病院28施設に送付し,回答を集計解析した.【結果】全28施設から回答を得た.多職種による定期的なCancer board meetingのある施設は18%,E-PASS(Estimation of Physiologic Ability and Surgical Stress)などを使用して系統的にリスク評価を行っている施設は7%で,ほとんどは個々の症例で適宜評価していた.癌種別の治療方針では,85歳以上の胃癌患者には郭清度を下げる施設が約6割ある一方,8~9割の施設が80歳以上の食道癌・肝胆膵領域癌患者に積極的に手術を行うと回答した.【結論】高齢者に対しても,侵襲の大きい手術を積極的に行う施設が多いことから,スクリーニング・リハビリプログラムの導入が今後の課題であると考えられた.

キーワード
高齢者, 消化器癌手術, 術前リスク評価

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