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日外会誌. 118(3): 281-285, 2017


特集

外科医に求められる倫理

4.終末期医療で求められる倫理

1) 医療法人社団つくし会新田クリニック 理事長
2) 順天堂大学医学部 心臓血管外科学講座

新田 國夫1) , 川﨑 志保理2)

内容要旨
日本循環器学会の終末期医療の提言を基本に,日本救急医学会,日本集中治療医学会と合同で,救急,集中治療における終末期の定義とともに,少なくとも,これらの定義を満たせば延命の中止が可能であると考えられるガイドラインが作成された.ガイドラインは一つの道筋であり,終末期医療およびその結果は単一の物でないとし,患者や家族との真摯な対話や,臨床倫理と緩和医療の必要性を認識しながら作成し,特徴として,プロセス重視,本人意思の尊重,看護師も含めた多職種チームの判断,緩和ケアを含むとした.
厚生労働省では,人生の最終段階を迎えた患者や家族と医療従事者が,最善の医療やケアを作り上げるための合意形成を示すものとして,人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドラインを作成した.その結果,終末期医療から人生の最終段階における医療に言葉を変えている.この中で,最期まで尊厳を尊重した人間の生き方に着目した医療を目指すことが重要であるとしており,今後,在宅,病院等の様々な現場においてこのガイドラインが広がることを期待したい.

キーワード
終末期医療, 臨床倫理, 在宅医療, 延命治療


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