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日外会誌. 118(1): 46-50, 2017
特集
外科手術における画像支援の現状と今後の展開
7.肝臓―肝離断のプロセスをシミュレートするコンピュータ手術支援―
内容要旨『肝切除手術における画像支援ナビゲーション』は2012年度に保険収載によって2,000点が加算され,加速度的に国内に普及してきた.肝臓の形状は外科手技により刻々と変化していく.しかし,従来のソフトウェアにおける3次元(3D)肝臓モデルは固定されており剛性である.そこで私達は,肝臓のリアルタイムの変形と肝離断プロセスを視覚化する新しいソフトウェア「Liversim」を開発し,手術に運用している.術前のシミュレーションだけでなく,手術室で実際の肝切除と同時に,Liversimによるバーチャル肝切除も施行した.Liversimによるシミュレーションと実際の手術では,肝離断のプロセス,すなわち,離断面での肝静脈やグリソン枝が出現する肝切離ラインでの深さや方向に,明らかな不一致は認められなかった.肝臓のリアルタイム変形が可能なLiversimを使用したバーチャル肝切除は肝切除の安全な施行に有用であると考えられる.
キーワード
肝切除, 手術シミュレーション, バーチャル手術
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