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日外会誌. 117(5): 381-386, 2016


特集

内視鏡外科手術は新たなステップへ

6.Robotic Surgery

藤田保健衛生大学 上部消化管外科

須田 康一 , 宇山 一朗

内容要旨
内視鏡手術支援ロボットda Vinci Surgical Systemは,従来の内視鏡外科手術の欠点を補完する複数の特長を有し,局所操作性を向上する.当科では,2009年より進行癌を含む切除可能胃癌・食道癌を対象として自費診療によるロボット支援手術を行い,胃癌術後の膵液瘻や食道癌術後の反回神経麻痺等,局所合併症を軽減する効果を報告してきた.また,ロボット使用の効果は切除郭清範囲が広いほど大きい可能性が示唆され,ロボットは進行癌に対する低侵襲手術を安全に行うための有望なツールと期待される.一方,ロボットの導入・維持には高額なコストが発生し,主に早期癌を対象とした海外の報告では,従来型内視鏡外科手術と比べて費用対効果の悪化が懸念されている.2014年10月より多施設共同前向き単群臨床試験(先進医療B「内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術」)を開始し,ロボット使用による合併症軽減効果やその費用対効果について検証中である.

キーワード
胃癌, 食道癌, 内視鏡手術支援ロボット, 合併症, 先進医療

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