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日外会誌. 117(3): 166-173, 2016


特集

高齢者における外科治療の低侵襲化と至適管理

2.消化管外科

1) 国立病院機構九州がんセンター 消化管外科
2) 九州大学 消化器・総合外科

森田 勝1) , 河野 浩幸1) , 吉田 大輔1) , 南 一仁1) , 山本 学1) , 池部 正彦1) , 藤 也寸志1) , 佐伯 浩司2) , 沖 英次2) , 前原 喜彦2)

内容要旨
高齢社会をむかえ高齢者の癌への対策は急務である.この際,根治性と全身状態に配慮した厳密な手術適応,侵襲軽減に留意した手術,早期離床をめざす術後管理がとくに重要である.食道癌の手術侵襲は過大であるが,高齢群(75~79歳),超高齢者(80歳以上)でも,合併症の発生,予後の面で次第に成績は改善し,外科的切除も高齢者食道癌に対する治療法の一つとして妥当なものと考えられた.一方,胃癌,大腸癌では,高齢者で合併症が若干,多い傾向にあるが在院死はほとんど認めていない.近年,普及している腹腔鏡下手術は高齢者でも安全に施行可能であるが,今後,侵襲の客観的評価が重要であると考えられる.

キーワード
高齢者, 食道癌, 胃癌, 大腸癌, 腹腔鏡下手術


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