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日外会誌. 117(3): 162-164, 2016


若手外科医の声

外科医による“消化器癌のエピジェネティクス研究”

熊本大学大学院 生命科学研究部消化器外科学分野

馬場 祥史

[平成12(2000)年卒]

内容要旨
外科医ほど臨床研究に対するモチベーションを維持しやすい職種はないのではないか.iPS細胞の山中伸弥教授は整形外科医として重症リウマチ患者を担当し,全身関節が変形した姿に衝撃を受け,重症患者を救う治療法を開発するために研究者を志すようになったという.私は外科医として消化器癌診療に従事しているが,手術,化学療法,放射線療法を含む集学的治療の発達にも関わらず,消化器癌患者の予後はいまだに不良である.癌で命を落とされる患者に接する度に,癌の早期発見の意義,そして革新的な診断法,治療法開発の重要性を痛感する.まさにそれが私の研究に対するモチベーションとなっている.私はこれまで,熊本大学大学院消化器外科学(馬場秀夫教授),ハーバード大学ダナ・ファーバー癌研究所(Prof. Shuji Ogino)において,「消化器癌における分子生物学的変化」をテーマに研究を行ってきた.今回は,その中で特に力を注いでいる“消化器癌におけるエピジェネティクス”について紹介させていただく.

キーワード
消化器癌, エピジェネティクス, LINE-1


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