[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (519KB) [会員限定]

日外会誌. 117(1): 40-48, 2016


特集

臨床試験デザイン

4.臨床試験デザインの紹介

京都大学大学院 医学研究科医学統計生物情報学

森田 智視

内容要旨
臨床研究は,医師のもつ臨床的疑問を調べるため,研究仮説を明らかにするため実施される.臨床研究を行う際には研究計画をしっかり事前検討しておくことが重要である.研究の目的に合致し,かつ実施上の現実的問題にも対応しうる最適なデザイン設定が望まれる.最終的な検証段階で実施されるランダム化比較は治療法比較の上では最上級の道具であろう.しかしながら,ランダム化比較試験を用いることですべての臨床的疑問が解決されるわけではない.本稿では臨床研究デザインの基本事項をまとめ,ランダム化の役割りについても解説する.優越性試験と非劣性試験の違いも整理する.さらに,ランダム化を行うことが難しいような状況での治療法群間比較方法として注目を集め,外科領域でも臨床研究における適用事例が急速に増えているプロペンシティ(傾向性)スコアマッチング法を紹介する.

キーワード
臨床試験, 観察研究, ランダム化, 非劣性試験, プロペンシティスコアマッチング


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。