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日外会誌. 117(1): 28-32, 2016


特集

臨床試験デザイン

2.外科領域の臨床研究―臨床医の視点から―

京都大学 消化管外科

肥田 侯矢

内容要旨
外科領域における手術手技,手術機械の進歩は著しく,その評価のための臨床研究の重要性はその意義を増してきている.最近結腸癌に対する腹腔鏡下手術と開腹手術のランダム化比較試験であるJCOG0404の長期成績結果が報告され,腹腔鏡,開腹のいずれもが予想をはるかに上回る好成績であったにもかかわらず腹腔鏡下手術の非劣性は証明されないという非常に理解しにくい結果であった.非劣性試験とは何なのか,一臨床医として試験をイメージし何が問題なのかを考えてみた.非劣性試験の難しさ以外にも,外科領域の臨床研究は薬剤の臨床試験と異なる特有の困難さがある.手術の質の評価に関する問題,ランダム化比較試験における盲検化の困難さ,ランダム化比較試験へのリクルートに対する抵抗,ラーニングカーブの存在などである.外科領域の臨床研究の特徴を考慮しながら,ランダム化比較試験の必要性,前向きおよび後ろ向き観察研究の重要性,非劣性試験や大規模研究の意義などについて臨床医としての立場から考察した.今後の外科学の発展のために,臨床研究はもっとも重要な分野の一つであることは間違いなく,まだ多くの問題を抱えているが,その理解と研究の推進が求められている.

キーワード
外科, 臨床研究, 臨床試験


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