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日外会誌. 116(6): 360-365, 2015
特集
ノンコーディングRNAの外科領域における意義
3.大腸癌領域における意義
I.内容要旨タンパク質をコードしないノンコーディングRNAが生理的および病理的に重要な役割を担っていることが明らかにされつつある現在,特に研究が進んでいるのがマイクロRNAs(miRNA)である.miRNAは約20塩基からなる低分子で,大腸癌を含むあらゆる癌種の発生,進展,転移に関わることが知られている.miRNAの特徴として,その発現変動が組織特異的であり,癌組織と正常組織との間においても発現が有意に異なる.近年,miRNAは,エクソソームに包埋されることで極めて安定して存在することが報告され,血液を含めた体液や便の非侵襲的新規バイオマーカーとして期待されている.本稿では,大腸癌におけるmiRNAの発癌過程における発現とその機能,バイオマーカーとしての可能性,そして臨床応用のために克服しなければいけない課題を詳述する.
キーワード
マイクロRNA, 大腸癌, 大腸腺腫, バイオマーカー
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