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日外会誌. 116(3): 189-196, 2015


特別寄稿

キャリア継続のために女性外科医師に必要な意識改革とは―当教室女性外科医師20名に対するアンケート調査より―

1) 九州大学大学院医学研究院 臨床・腫瘍外科
2) 北九州市立医療センター 外科

永吉 絹子1) , 森 瞳美1) , 亀田 千津2) , 中村 勝也1) , 植木 隆1) , 田中 雅夫1)

I.内容要旨
医療現場では外科医の労働力不足が問題となっており,女性医師を活用すべく環境整備が急務とされている.我々は当教室に所属する女性医師20名にアンケート調査を行い,外科医として勤務を続ける上で女性医師が抱える問題点と課題を検討した.回答率は80%(16名)で,7名が未婚者,9名が既婚者であった.ほぼ全員がワークライフバランス(以下,WLB)は重要であると回答した.しかし,女性外科医師がWLBを維持しながら勤務を継続することは難しいと考えており,その実現には配偶者と職場の双方からの理解と協力が重要と考えていた.既婚者では未婚者と比べ,より就労環境整備や家庭内サポート体制の充実が重要と考えており,両者の間で重要性の認識に相違が見られた.WLBを維持して勤務継続を行うには,周囲の意識改革を含めた環境整備が必要であり,女性外科医師は早い段階でそれらを意識し,自身のキャリアプランの実現について展望を持つ必要がある.

キーワード
女性外科医師, キャリア継続, 意識改革


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