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日外会誌. 116(2): 99-103, 2015


特集

炎症性腸疾患外科治療の最近の動向

5.潰瘍性大腸炎に対する治療の最近の動向

1) 横浜市立市民病院 炎症性腸疾患センター
2) 松島クリニック 

杉田 昭1) , 小金井 一隆1) , 辰巳 健志1) , 二木 了1) , 黒木 博介1) , 山田 恭子1) , 荒井 勝彦1) , 福島 恒男2)

I.内容要旨
潰瘍性大腸炎には内科治療と外科治療があってそれぞれに個々の治療法があり,実際の治療に際しては患者の病態によって最も適切な治療法を選択して治療法の確定や変更が行われている.近年,内科,外科治療ともに進歩が目覚ましく,内科治療では新しく認可された抗TNFα抗体製剤,タクロリムスなどが臨床で使用されて効果を挙げ,また手術治療も手技の確立や術後経過の検討が十分されて経過が良好なことから手術適応の拡大も提唱されている.一方,患者側の要因として大腸癌の増加,高齢者の増加などがあり,診断,治療の選択を新たに考慮する必要がある.本症の治療の目的はQOL(生活の質)の向上であることから,新しい治療法の効果と限界を検討してそれぞれの位置づけを明らかにし,至適な治療を選択するように内科医,外科医が連携していくことが重要である.

キーワード
潰瘍性大腸炎, 内科治療, 外科治療, 最近の動向


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