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日外会誌. 116(2): 82-86, 2015


特集

炎症性腸疾患外科治療の最近の動向

2.Crohn病治療の最近の動向

四日市羽津医療センター 外科

山本 隆行

I.内容要旨
Crohn病の治療成績は,生物学的製剤の導入により著しく向上した.しかし,同剤には感染症や悪性腫瘍のリスクがあり医療コストも高額であることから,適応症例を慎重に決定する必要がある.生物学的製剤の術前使用と術後合併症のリスクの関連については一定の見解が得られておらず,今後さらに検証する必要がある.最近の臨床試験により,生物学的製剤には強力な術後再発予防効果があることが判明している.しかし,適応症例や適切な投与開始時期など,不明な点もあり,今後さらなるエビデンスが必要である.手術術式については時代の変遷を経て,現在では広範囲切除よりも小範囲切除が行われ,また,小腸を温存する目的で適応症例には狭窄形成術が行われている.最近は腹腔鏡手技の導入により,低侵襲で整容性の高い手術が可能となりつつある.

キーワード
Crohn病, 生物学的製剤, 腹腔鏡手術, 術後合併症, 術後再発


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