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日外会誌. 115(4): 201-205, 2014
特集
胆管癌外科治療の現況
6.胆道癌取扱い規約における肝門部“領域”胆管癌の提唱
I.内容要旨
肝門部胆管癌は「肝門レベルでの胆管閉塞」という臨床的特徴を呈する胆管癌である.肝門部胆管における肝内胆管と肝外胆管の境界は不明瞭なため,上記臨床特徴をみたす肝門部胆管癌は肝内胆管癌および肝外胆管癌を内包する.このため,肝門部胆管癌の定義に関しての議論は尽きない.
2013年11月に胆道癌取扱い規約,第6版が上梓された.今回の改定の特徴は,本邦の独自性を極力排除しAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)または,International Union Against Cancer(UICC)のTNM分類(第7版)に追従したことである.肝門部胆管癌は肝門部領域胆管癌(Perihilar cholangiocarcinoma)と名称変更され,「肝内腫瘤の有無にかかわらず,肝門部領域胆管に主座のある癌」と定義された.これは肝門部の大型胆管由来の肝外胆管癌に加えて腫瘤形成型の肝内胆管癌の一部が含まれることを意味する.臨床的には,肝内胆管癌と肝外胆管癌を区別する必要を廃し,多くの診療科で実地使用しやすいことが特徴である.
本邦の臨床医はAJCC/UICCと癌取扱い規約の2種類の病期分類を適宜使いわける必要があったが,今回の規約改定により,世界標準の分類を日常臨床で使用する基盤ができた.
キーワード
肝門部胆管癌, 肝門部領域胆管癌, 肝内胆管癌
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