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日外会誌. 115(3): 143-146, 2014
特集
肺癌治療の最近の動向
6.低侵襲手術としての胸腔鏡下肺葉切除術
I.内容要旨
肺癌外科療法は,手術で病巣を完全に切除しきる根治度という命題と手術に伴う身体に対しての侵襲度という,相反する命題が常に交差して来た.もちろん根治度の命題が先行して追求され,1933年Graham1)
による肺癌に対する肺全摘除術に始まり,1960年Cahan2)
3)
の解剖学的肺葉切除術とリンパ節郭清を根治的肺葉切除術と称し現在の王道に至っていることは周知の事実である.1980年代に入り根治度の確立に伴い,遅れて低侵襲度の追求が始まり,その大きな波として胸腔鏡下肺葉切除術が開発されてきた.胸腔鏡下肺葉切除術は胸腔内へのアクセス法の違いだけであり,胸腔内での操作は根治的肺葉切除術と何ら変わることはない.また低侵襲手術としての胸腔鏡下肺葉切除術を受けた患者の予後は開胸下肺葉切除術と同等かより良好な結果が報告されてきており,さらには患者の術後QOLの向上に寄与していることは明らかであることから本邦で急速に普及して来た.現在,年間約32,000件の肺癌手術が行われ,そのうち半数以上が胸腔鏡下肺癌手術である4)
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キーワード
低侵襲手術, 胸腔鏡下手術, 肺癌外科療法
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