[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (549KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 115(2): 84-89, 2014


特集

ステントグラフトの中·長期成績

6.腹部·胸部大動脈瘤術後エンドリーク合併症に対する対処法

奈良県立医科大学 放射線科

吉川 公彦 , 岩越 真一 , 伊藤 博文 , 市橋 成夫

I.内容要旨
エンドリークはステントグラフト治療後の合併症として一般的であり,CTを中心とする長期にわたる画像診断が重要であるが,その画像診断の種類や施行時期については一定の見解が得られていないのが現状である.エンドリークは5型に分類され,タイプIとIIIエンドリークは瘤破裂に直結する危険性があるため,迅速な治療が必要である.一方タイプIIエンドリークに関しては治療前と比較して10mm以上の拡大あるいは6カ月で5mm以上の拡大がみられる例では治療が必要とされている.タイプIIエンドリークの治療を行う際には,まず潜在的なタイプIあるいはIIIエンドリークを除外することが重要である.タイプIIエンドリークに対する治療のコンセプトは流入血管と流出血管を塞栓し,両者の連絡を絶つことであり,血管内治療に精通した医師が行うべきである.タイプVに対する治療については,保存的に経過観察するか,血管内治療あるいは外科手術を行うかは一定の見解が得られていないのが現状である.

キーワード
TEVAR, EVAR, MDCT, エンドリーク, 塞栓術

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。