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日外会誌. 115(1): 44-49, 2014


特別寄稿

最近の新規女性外科医師数は増えているのか?減っているのか?―全国外科教室でのアンケート結果―

1) 長崎大学大学院 移植·消化器外科
2) 長崎大学病院 メディカル·ワークライフバランスセンター

崎村 千香1) , 江口 晋1) , 伊東 昌子2)

I.内容要旨
近年,女性医師は増加し,国家試験受験者の3割に上っており,妊娠·出産·育児の後でも,勤務を継続出来る環境整備が求められている.我々は,外科医をめざし選択した女性医師の人数の把握を目的に,全国外科系大学教室に対しアンケートを行った.272教室を対象に平成3年から24年までの入局者数(全体数,女性数)を調査し,188教室(回答率69.1%)から返答を得た.外科を選択する女性は明らかに増加傾向があった.専門別では,実数は消化器が最も多く,割合は乳腺·内分泌で最も多かった.消化器,乳腺·内分泌は近年増加傾向を認めた.女性医師の増加に伴い,外科を希望する女性も増加している.しかし,あくまで今回の結果は入局者数であり,サポート体制が整わなければ,妊娠·出産·育児によって,専門を変更する可能性は考えられる.初めに希望した専門を長く続けられるかどうかが,キャリア形成,外科医数の維持にもつながり,周囲の環境整備が望まれる.

キーワード
女性外科医, 入局者数, 専門科


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