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日外会誌. 115(1): 8-12, 2014


特集

National Clinical Databaseの現状とこれから

3.消化器外科領域におけるNCDの利活用

1) 福島県立医科大学 臓器再生外科学講座
2) 東京大学大学院 医学系研究科医療品質評価学講座
3) 浜松医科大学 外科学第二講座(消化器·血管外科分野)
4) 大阪大学大学院 医学系研究科外科学講座消化器外科学
5) National Clinical Database(NCD) 
6) 日本消化器外科学会データベース委員会 

後藤 満一1)5)6) , 宮田 裕章2)5)6) , 今野 弘之3)5)6) , 森 正樹4)5)

I.内容要旨
NCD事業は,外科関連の専門医制度を共通基盤とし,医療水準の把握と改善に向けた取り組みの支援,政策提言,参加学会間の連携をめざし,日本外科学会とともに外科関連の専門医制度をもつ学会が合同で開始した.消化器外科領域では,医療水準評価対象術式の2011年登録症例約12万例を用い,8術式のリスクモデルを構築した.このモデルを用いることで,各症例の術前リスク評価が可能となるとともに,各診療科のベンチマークの設定が可能となる.さらに,施設カテゴリー(認定施設,関連施設,外科医数),Hospital volume,専門医の関与,地域,救急搬送,外傷手術,内視鏡手術,肥満,高齢者,などの各因子のアウトカムに与える影響の解析が可能となる.消化器外科領域では,既に,日本消化器外科学会データベース委員会により,日本外科学会ならびに消化器外科関連学会を対象として,NCDデータを利用した臨床研究の公募が行われた.複数の研究プロジェクトが採択され,これらの解析が始まろうとしている.

キーワード
National Clinical Database(NCD), 医療水準評価, リスクモデル, フィードバック, がん登録

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